2011年8月18日木曜日

リーガ開幕延期の可能性


昨日17日に行われたスペインサッカー選手協会(AFE)とスペインプロリーグ機構(LFP)の会合で、今週末に開幕予定となっているリーガがストライキのために延期となることが確実となってきました。このストライキは一部のクラブによる選手への給与未払い問題に端を発したものではありますが、リーガ・エスパニョーラの抱える問題は、給与未払い以外にも非常に根の深いものとなっていて、簡単に問題が解決するとは思えません。

例えば、リーガの1部のクラブの中には、日本の会社更生法に当たる倒産法を適応したクラブがいくつかあります。この倒産法を適用したクラブは、他のクラブから獲得した選手の移籍金などの支払いを免れるというむちゃくちゃなシステムがあります。これでは売った側にとっては踏んだり蹴ったりですよね・・・(昨シーズン降格が決まったデポルティーボはサラゴサにラフィタを売却していますが、移籍金が支払われず、そのことでシーズン終了後にもめていました)。また中にはこのシステムを悪用し、今夏には800万ユーロを投じてGKを獲得したチームもあります。

マラガのファンの方の中にはご存知のひとも多いかと思いますが、マラガもアル・タニ会長がクラブを買収する数年前に、この倒産法を適用しています。ちょうどマラガが2部に降格した年です。しかしその後マラガは補強にお金を掛けず、経営を健全化することで危機を乗り切りました。だからフェルナンド・サンス会長時代にはお金がなかったわけです。

今回のストライキが給与未払いから来るものだということは理解できます。選手たちは給与を受け取る権利があるわけですし。だけどストライキで最も影響を受けるのは、試合を心待ちにしているファンだと思うのです。

スペインサッカーのファンの気持ちを無視したやり方は、どうしても理解できません。例えばテレビの放映料のためだけに、今シーズンから日曜日の試合の中に12時、16時にキックオフするものがあるのも理解に苦しみます。そしてもっと理解できないのは、この12時キックオフの試合の中に、バルセロナとレアル・マドリードは含まれないということです。テレビの放映権だけを見れば、バルセロナやレアル・マドリードを放送したほうが視聴率が取れることは分かりきっているはずなのに、彼らは12時からの試合をしなくてもいいわけです。

またそのテレビの放映料についても、この2チームはリーガ全体の放映料の80%を得ており、残りの20%を残りの18チームで分ける形となっています。バルセロナとレアル・マドリードがリーガ・エスパニョーラ看板クラブであることは分かります。でも残りの18チームがあるからこそ、リーガは成立するわけで、ここまであからさまで不平等な分配は、他のヨーロッパのリーグでは見られないことです。

明日19日にもう一度AFEとLFPの会合が行われることになっていますが、ストライキ回避は難しいと言われています。出来ることなら最後の最後にリーガが日程通りに行われることになってほしいのですが・・・

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