2011年6月15日水曜日

マルティン・デミチェリスという男



  

  2010-11シーズンの冬の移籍市場でマラガにやってきた“ミーチョ”ことマルティン・デミチェリスは、母国アルゼンチン代表としても活躍し、バイエルン・ミュンヘン時代にはブンデスリーガ優勝4回など数々の栄誉を勝ち得てきた選手です。

  そのデミチェリス、マラガに加入後、最初の公式戦(リーガ第18節のアスレティック・ビルバオ戦)でゴールをあげファンの心をがっちりと掴みました。だけど、ミーチョのすばらしいところは先制点をあげ喜びに沸くチームメートたちに対し、「時間はまだある。しっかり気を引き締めろ!」とゲキを飛ばし選手たちをそれぞれのポジションにつかせたことでした。

この日のミーチョをみてから、わたしはすっかり“ミーチョ”ファンになりました。

  またこんな話も報道されました。それは第26節のレアル・マドリード戦で7-0と大敗を喫し、ホームのファンの前で必勝が義務となっていたはずのチームが翌27節のオサスナ戦を0-1で落とした後のことです。ア ウエーでの試合となった第28節のレアル・ソシエダ戦。この試合で初めてペジェグリーニ監督はトップチーム所属全選手と下部組織の選手3名を招集し敵地へ と乗り込みました。移動の飛行機の中で、「まるでチャンピオンズリーグの試合みたいだな」と浮かれるチームメートに対し、デミチェリスは「この中でチャン ピオンズでプレーしたことのある選手はいるか?」と問いました。静まり返った機内で、「オレはチャンピオンズでプレーしたことがある。確かにチャンピオン ズは非常に大事な試合だ。だが今のオレたちにとってのチャンピオンズは明日のレアル・ソシエダ戦だ」とデミチェリスは力強く言い放ったそうです。(このと き、デミチェリス同様チャンピオンズリーグでのプレー経験があるバチスタは、膝のリハビリでブラジルに滞在していました)

その結果、チームはひとつにまとまりレアル・ソシエダ戦を0-2で勝利することができました。デミチェリスがチームにもたらしたものは安定した守備だけではなく、チームの団結力、プロ精神だったのだろうと私は思っています。

マラガが冬の移籍市場で獲得した選手の中で何かと注目を浴びるバチスタとは違い、縁の下の力持ちとしてチームを支えるデミチェリス。そのデミチェリスはマラガが1部残留を果たしたことで晴れてマラガの一員となりました(冬の移籍市場では買取オプション付きのレンタル移籍で、このオプションはマラガは1部残留を果たすことで行使されることになっていました)

来シーズンもマラガの影のリーダーとして、デミチェリスから目が離せなそうです!



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